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世界恐慌が生んだ美しさ

1930年代
American Opticalは「FUL-VUE」を発表しました。
テンプルの付け根をレンズ上部へ移動させることで、
横方向の視界を広げた、当時では革新的な構造の眼鏡です。

自動車やバイクが急速に普及していた時代、
視界が広いこの設計は多くの人に受け入れられ、
FUL-VUEは1930年代から40年代を
代表するモデルとなりました。

この一本に施された繊細な彫金も印象的です。
その背景には、1929年の世界恐慌があります。

仕事を失ったジュエリー職人たちが
眼鏡づくりに携わるようになり、
高い彫金技術がフレームへと受け継がれていきました。

さらに、このフレームには1/10 12KGFで作られています。

これはフレーム総重量の10分の1に
12金の金張りが使われていることを示しています。

現代ではコスト面からここまで贅沢な仕様は少なく、
時代を感じさせるディテールの一つです。

機能を追求した設計と、職人の手仕事、
そして惜しみなく使われた素材。

FUL-VUEは、
その時代の技術と美意識が詰まった一本です。

一本の眼鏡を知ることは、その時代を知ることでもある。

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